Neurodive via sensory deprivation (感覚遮断によるニューロダイブ)

2021年, 石膏ボード,遮光シート、グラスウール、赤外線カメラ、GCボード

田中誠人と岡本奈香子の共同制作による感覚遮断実験室。

1950-60年代に注目を集めた感覚遮断実験。光や音といった外部刺激を遮断した環境におかれた被験者のおよそ半数に、幾何学模様や具象的なイメージなどの何らかの幻視が現れわれたことが報告されている。近年では注目も弱まり積極的な研究はなされなくなったものの、感覚遮断における幻視体験は、瞑想や座禅をはじめとする宗教的体験との関連性も指摘されており、幽霊や妖怪といった民俗的な領域、さらにはかつての洞窟における生活といった人類学的なレベルにおいても、人々の文化と繋がりあっていた可能性が考えられる。実際には存在しないにも関わらず、現実的な視覚として認知される幻視は、見ることと想像することの中間点として捉えることもでき、幻視を考えることによって、人間の知覚とイマジネーションに新しい角度から焦点をあてることができるのではないか。

今回、「見ることとは何か」について思索を続ける田中誠人と、「ヒトの創造性の根源」を探求する岡本奈香子が、それぞれに感覚遮断実際を行い知覚を探る試みを行った。

Tanaka Masato & Nakako Okamoto 田中誠人 & 岡本奈香子
《Neurodive via sensory deprivation 感覚遮断によるニューロダイブ(はならぁと2021)》
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